シャンパン(シャンパーニュ)とスパークリングワインの違いとは?明日から使える豆知識

※本ブログの情報は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本」をもとにしています。

はじめに

本ブログでは、普段ワインを飲まない方が楽しく飲めるきっかけになるような情報を発信していきたいと思います。

 

本日はシャンパン(シャンパーニュ)とスパークリングワインについてご紹介したいと思います。友人とお酒を飲んでいても質問されたりすることも多いですので同様に疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事を読んでいただき、スパークリングワイン選びの参考にしていただければと思います。

 

スパークリングワインの定義

 

まずは、スパークリングワインの説明です。スパークリングワインとは「発泡性を有したワインの総称」です。厳密には20℃におけるガス圧が49Kpa以上の炭酸ガスを含有する酒類と定義されています。一般的には、3気圧以上のガス圧を含有するものを言いますが、それ以下のガス圧のワインは、弱発泡性ワインとして区分されています。

 

この基準に基づいたワインであれば、当たり前ですが「どの国でもスパークリングワイン」を造って販売することができます。

 

スパークリングワインとは、発泡性を有したワインの総称で、様々な国で造られる。

 

シャンパン(シャンパーニュ)の定義

 

ではシャンパン(シャンパーニュ)とはどういったものを指すのか。実は、シャンパーニュはスパークリングワインの一種です。フランスのシャンパーニュ地方で、特定のブドウ品種・特定の手法で造られた発泡性ワインのみがシャンパーニュとして名乗ることを許されています

シャンパーニュ地方はフランスでも北に位置しており、ブドウを栽培するには非常に厳しい条件の土地です。17世紀末に修道士・ドンペリニヨンは、様々な畑のブドウを選別・ブレンド(アッサンブラージュ)し、天候に関わらず品質の高いワインを生み出しました。しかしながら、ワインをガラス瓶に瓶詰めしたときに、冬の寒さのために中断したアルコール発酵が再開して、どうしても泡が残ってしまうことがわかりました。ところが、この瓶内で発泡したワインが結果的に人気を集め、その後はいかに発泡させるかという技術の追求が行われていきます。

ちなみに、通常のスパークリングワインは3気圧以上のガス圧を含有するものをいうと前述しましたが、シャンパーニュは「瓶内二次発酵」という手法によって最終的にガス気圧は6気圧まで増加します。

 

シャンパン(シャンパーニュ)は、スパークリングワインの一種で、フランスのシャンパーニュ地方で特定のブドウ品種・特定の手法で造られた発泡性ワインのみ名乗ることができる

 

クレマン・カバ・フランチャコルタについて

 

では、フランスの別の地域でシャンパーニュと同様の手法で用いたものは何と呼ばれるのか? これは「クレマン」と呼ばれます。クレマン・ド・アルザス、クレマン・ド・ブルゴーニュといったように、クレマン・ド・(地方)と呼ばれ、シャンパーニュと区別されます。

 

また、スペインではシャンパーニュと同様の方法でカバ(Cava)が造られています。シャンパーニュと同等の歴史を有し、価格もシャンパーニュと比較してリーズナブルですので気軽に楽しむことができますね。イタリアではロンバルディア州のフランチャコルタがシャンパーニュと同様に「瓶内二次発酵」の手法で造られます。

 

シャンパーニュはちょっと高いかも、という方には個人的には「スペインのカバ」がリーズナブルでおススメです。

 

フランス(シャンパーニュ地方以外)のクレマン・スペインのカバ・イタリアのフランチャコルタは、シャンパーニュと同様の瓶内二次発酵で生産されている。

 

スパークリングワインは「黒ブドウ」からも造られる?

実は、シャンパーニュは黒ブドウもブレンドされている事が多いです。ほとんどが、「ピノ・ノワール」と「ピノ・ムニエ」という黒ブドウ品種ですね。白ブドウのみ(シャルドネが多い)で造られたシャンパーニュと黒ブドウ主体のシャンパーニュは味わいも異なりますので、ブドウ品種からスパークリングワインを選ぶことも一度お試しいただければと思います。

 

代表的な有名高級シャンパーニュ

ドンペリニヨン(ドンペリ)

日本では高級シャンパーニュと言えば、モエ・エ・シャンドン社のドンペリニヨン(ドンペリ)ではないでしょうか。前述した修道士の名前が由来のシャンパーニュです。通常のシャンパーニュは、ノンミレジメといって「異なる収穫年のブドウを使用して品質を一定化する」事が多いですが、ドンペリニヨン等の高級シャンパーニュは、ミレジメといって「単一の収穫年のブドウのみ」を使用します。ちなみに、私は2006年を3年前に飲んだことがありますが、恐らくブラインドではわからないかもしれませんね。(笑)

サロン

単一畑、単一品種、単一ヴィンテージ(ミレジメ)にこだわったサロン。自信のあるヴィンテージしか出さないので100年の間に30数ヴィンテージだけが世に出ています。最低でも10年の瓶内熟成を経てようやく出荷するというスタイルであるため、非常に高価です。私は買うことはできません。

 

最後に

 

最後までお読みいただきありがとうございました。シャンパーニュはスパークリングワインの一種で「瓶内二次発酵」を含めた手間のかかる手法で生産されています。シャンパーニュは高いけど同じようなワインが飲みたいという方はスペインのカバやイタリアのフランチャコルタがリーズナブルでおススメです。

 

また、シャンパーニュは収獲年の異なるブドウをブレンドするという特殊な手法を行っておりますが、これは品質を一定化するという狙いがあったからですね。それだけに、ヴィンテージが記載されたシャンパーニュ(ミレジメ)は高価なものになっています。

 

スパークリングワイン選びの際は、是非とも今回ご紹介した内容を参考にしていただければと思います。

 

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