※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策
本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。
今回はジュラ・サヴォワ地方です。
ジュラの注目ポイントは、「ヴァン・ジョーヌ」と「ヴァン・ド・パイユ」という2種類の特殊ワインです。醸造方法などは試験でも出題されるポイントですのでチェックしておきましょう。
ジュラ地方
概要
ジュラの産地はスイスとの国境であるジュラ山脈の西側のジュラ平原に広がっています。ワイン産地の大きさとしてはフランスでも最小で、7つのA.O.Cしかありません。
主要ブドウ品種は以下の品種をおさえておきましょう。
(黒ブドウ)
・プールサール
→ジュラ原産の赤用品種で、全耕作面積の20~25%を占める品種です。黒ブドウはこれだけおさえておけば大丈夫でしょう。
(白ブドウ)
・サヴァニャン(ナチュレ)
→後述する「ヴァン・ジョーヌ」という黄ワインの元となる品種
・シャルドネ(ムロン・ダルボワ)
→ジュラの栽培面積の約50%を占め、最も栽培されている品種
2種類の特殊ワイン
ジュラ地方の出題されるポイントである、2種類の特殊ワインについてチェックしましょう。2つを混同しないように注意しましょう。
また、AOCの生産色は通常、赤・白・ロゼ・甘口・スパークリングぐらいですが、追加してこの2つのワインも覚えないといけません。
ヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)
ジュラ地方独特のワインで、サヴァニャンから造られます。ジョーヌというのは黄色という意味で、黄色の辛口ワインです。
完熟したサヴァニャンを白ワインとして醸造し、収穫から6年目の12月15日までオーク樽で熟成させます。うち、60か月は産膜酵母の下で熟成。その間にウイヤージュ(目減り分の補充)はしてはいけません。(試験に出題されるポイントです)
ワインの表面に酵母による皮膜が形成されます。「グード・ジョーヌ」(黄色の味)となり、ソトロンと呼ばれる芳香成分により、アーモンドやヘーゼルナッツといった香ばしい風味が生じます。
クラヴランという62cL(620 mL)の瓶に詰められます。
ヴァン・ド・パイユ(藁ワイン)
ブドウを収穫した後に乾燥させ、糖分を凝縮させた甘口ワインです。ジュラ地方以外に、コート・デュ・ローヌ地方のエルミタージュでも生産されています。
遅摘みのブドウをを使用します。ヴァン・ジョーヌはサヴァニャンでしたが、サヴァニャン以外に、シャルドネやプールサールもOKです。藁やすのこの上などで乾燥させ、水分を飛ばすことで糖分が凝縮されます。
木樽熟成を2年~5年間行います。規定により、圧搾後3年は販売できません。さらにこの期間のうち18ヵ月以上は木樽熟成が必要です。
出来上がったワイン(相当甘い)はPots(ポ)と呼ばれる375 mLの瓶に詰められます。(ソムリエ教本2020には記載なし?)
覚えるべきAOCと生産種類
・アルボワ(赤、ロゼ、白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユ)
・コート・デュ・ジュラ(赤、ロゼ、白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユ)
・クレマン・デュ・ジュラ(発泡ロゼ、白)
・シャトー・シャロン(ヴァン・ジョーヌと呼ばれる白のみ)
・レトワール(白、ヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユ)
特に、シャトー・シャロンとレトワールは出題される事がありますので、おさえておきましょう。
サヴォワ地方
概要
サヴォワ地方は主にスイスのレマン湖からローヌ川の流域沿いに分布しています。残念ながら、試験的にはほぼ出題されることはないかと思います。
主要ブドウ品種は以下の品種をおさえておきましょう。
(黒ブドウ)
・モンデューズ
→サヴォアを代表する黒ブドウ品種です。
(白ブドウ)
・ジャケール
→サヴォワ地方で最も栽培面積が広い品種でほぼ半分を占めます。
・シャスラ
→地理的に近いスイスの主要品種でもありますので、関連づけて覚えましょう
・アルテス(ルーセット)
→キプロスからもたらされたという伝説があるそうです。
覚えるべきAOCと生産色
・セイセル(白)
・ルーセット・ド・サヴォワ(白)
→どちらもアルテス(ルーセット)から造られます。
第10回小テスト:ジュラ・サヴォワ地方
第10回:フランス・ジュラ・サヴォア地方

最後に
フランスでは、少し地味な印象を受けますが、ジュラ地方はヴァン・ジョーヌとヴァン・ド・パイユという特殊なワインを生み出す産地ですので、是非ともおさえておきましょう。
フランスは勉強する内容はとても多いですが、まず、フランスをおさえておけば他の地域の学習もはかどります。ここを我慢して乗り越えていきましょう。
(参考)ソムリエフォーフリー ジュラ地方
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