※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2018)」をもとにしています。最新の情報は最新のソムリエ教本をご確認ください。
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策
本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。
今回はイタリアの全体像です。「フランス」というソムリエ・ワインエキスパート試験での一つの山場を越えましたが、「イタリア」も同様に重要視すべき国の一つです。ワイン生産量でも、フランス、スペインとともに、世界三大生産国の一角を占めています。しっかり覚えていきましょう。
※ワイン生産量のランキング:2020年ソムリエ教本によると、2017年生産量ではイタリアがトップです。特にイタリアとフランスの順位は年によって入れ替わりますので注意してください。
イタリアのポイント
イタリアワインのポイントは以下の点です。
・まず、イタリアの20の州と場所を必ず覚える
・DOCGをしっかり覚える ※DOCGは後述します
20の州と場所を覚えているのといないのでは、その後の学習成果が変わってきます。また、1861年まで統一国家でなかったイタリアは、非常に多様なワイン文化が形成されてきましたが、DOCGワインのブドウ品種と生産色をまず覚えていくことで、その土地ごとの文化というものが掴みやすくなります。
イタリアワインの歴史
イタリアでは、紀元前2000年前から原始的なワイン造りは行われていましたが、本格的なブドウ栽培を伝えたのはギリシャ人とエトルリア人と言われています。エトルリア人はウンブリア州などで、「マリタータ」と呼ばれる他の樹木にブドウの蔦を絡ませる方法でブドウを栽培していたそうです。
1716年にトスカーナのコジモ3世が、「キャンティ、ポミーノ、カリミニャーノ、ヴァルダルノ・ディ・ソプラの生産地の線引き」を行いました。イタリアワインの法的規制のはしりと呼ばれる出来事ですね。「キャンティ」って何?という方は以下の過去記事を事前にご覧ください。
イタリアのワイン法
1963年に最初の原産地呼称法を公布し、上級ワインとして「DOC (統制原産地呼称)」、さらに制約が厳しい「DOCG (統制保証原産地呼称)」が格付けされています。現在のEUワイン規則では、この2つをDOPとして、その下に、「IGP (保護地理表示ワイン)」「Vino」が認定されています。
上からDOP (DOCG,DOC)、IGP,Vinoと定められている、と覚えておいてください。試験的にはDOCGは出題される可能性が高く、DOCもたまに出題されるというイメージです。ちなみに、DOCGはある州とない州があります。
ちなみに、IGPは「ワインの85%以上がその土地で造られたものである」場合に限り名乗ることを許されています。
また、新酒のことを「ヴィーノ・ノヴェッロ」といい、10月30日零時1分から提供することが可能です。
特殊ワインについて
通常のスティルワインの他に、イタリアでは有名な特殊ワインが何種類かあります。ココも試験で出題される場合があるので覚えておきましょう。
・ヴェルムート・ディ・トリノ(ピエモンテ州)
→「ヴェルモット」と呼ばれる混成ワインです。白ワインに「ニガヨモギ」などの生薬を混合している事が特徴です。辛口のドライ・ベルモットと甘口のスイート・ベルモットがあります。
・リモンチェッロ(カンパーニア州)
→レモンの皮からつくられるリキュールで、日本でも比較的流通しているお酒です。
・グラッパ
→ブドウの絞り粕を原料にした蒸留酒です。日本ではサイゼリヤなどでも提供されています。ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験でも「その他のお酒」として出題される事のあるお酒です。
第20回小テスト:イタリア① 概論
第20回:イタリア① 概論
第20回:イタリア① 概論

最後に
本日は、イタリアの概論をご紹介しました。イタリアワインを把握するための第一歩は、「イタリアの州と場所を覚えること」です。このポイントをおさえておけば、後から非常に楽になります。
次回から数回に分けて州ごとにご紹介していきたいと思います。
(参考)ソムリエフォーフリー
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