※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策
本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。
今回はラツィオ州とカンパーニア州です。ソムリエ教本の分類によれば、ラツィオ州は中部イタリア、カンパーニア州は南部イタリアに分類されていますが、今回はこの2州についてあわせてご紹介します。
ラツィオ州とカンパーニア州
ラツィオ州の州都は「ローマ」であり、イタリア共和国の首都でもあります。火山性土壌の丘陵地帯では日当たりもよく、ブドウ栽培にも適した土地です。ヴァチカン市国もこのラツィオ州内にありますね。
一方、カンパーニア州の州都はナポリピッツァでも有名な「ナポリ」です。カンパーニア州は、ポンペイ遺跡やアマルフィ海岸、青の洞窟など自然豊かな州で、温暖な気候と豊かな火山性土壌に恵まれており、ワイン造りにも理想的な環境です。ヴェスヴィウス火山があることから火山灰の土壌が多いことが特徴ですね。
ラツィオ州
ラツィオ州で覚えるべきブドウ品種
・マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディア(白ブドウ)
ラツィオ州、特にローマ周辺のカステッリ・ロマーニ地区で栽培されている白ブドウです。
・チェザネーゼ(黒ブドウ)
ラツィオ州原産の黒ブドウです。チェザネーゼの他には、サンジョヴェーゼやモンテプルチャーノといった他の中部イタリアでも利用されるブドウ品種が多く見られます。
ラツィオ州の主要なDOCG
・チェザネーゼ・デル・ピリオ(赤)
ブドウ品種:チェザネーゼを90%以上使用したDOCG。デル・ピリオ以外のチェザネーゼを利用したワイン(チェザネーゼ・なんちゃら)はDOCです。
・カンネッリーノ・ディ・フラスカーティ(白甘口)
「マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディア」や、「マルヴァジア・デル・ラツィオ」という白ブドウを主体とした甘口白ワインです。この地域では甘口のことを「ドルチェ」ではなく、「カンネッリーノ」と呼びます。
・フラスカーティ・スペリオーレ(白)
「マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディア」や、「マルヴァジア・デル・ラツィオ」という白ブドウを主体とした辛口白ワインです。ソムリエ教本によると詩人ゲーテも称賛していたそうです。
ラツィオ州のDOC
・エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ(白)
独特な名前からDOCながら試験的にも狙われそうなワイン。エスト!とは「これだ!」というニュアンスだそうで、中世にドイツの司教の従者マルティーノが、「先に村に行って美味しいワインがある店にはエストと書くように」と指示されて村に来たところ、全てのワインが美味しかっため、村中の居酒屋の壁にエスト!と書きまくったという伝説があるそうです。
カンパーニア州
カンパーニア州で覚えるべきブドウ品種
・グレーコ(白ブドウ)
イタリア南部の重要白ブドウ品種です。カンパーニア州イルピニア県で広く栽培される「グレーコ・ディ・トゥーフォ」とカラブリア州の「グレーコ・ビアンコ」に分かれます。元々はギリシャから伝わってきたそうです。
・アリアニコ(黒ブドウ)
イタリア南部の重要黒ブドウ品種です。
カンパーニア州の主要なDOCG
・グレーコ・ディ・トゥーフォ(白・スプマンテ)
グレーコ主体のDOCG。「トゥーフォ」とは火山灰土壌のことです。
・フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ(白・スプマンテ)
フィアーノという白ブドウ主体のDOCG。
・タウラージ(赤)
アリアニコ主体のDOCG。ソムリエ教本による「南イタリアで最も尊敬されているワインと言われている」と記載あり。生産色とブドウ品種を覚えておきましょう。
・アリアニコ・デル・タブルノ(赤・ロゼ)
アリアニコ主体のDOCG。
タウラージ以外はブドウ品種がDOCG名に入っていますので、ブドウ品種は出題される可能性は低いと思います。タウラージはアリアニコというブドウ品種主体なので注意しましょう。
カンパーニア州のDOC
・ヴェスヴィオ(赤・白)
カンパーニア州にあるヴェスヴィウス火山(ヴェスヴィオ火山)とセットで覚えましょう。この呼称に含まれるラクリマ・クリスティは「キリストの涙」を意味します。
第27回小テスト:イタリア⑧ ラツィオ州、カンパーニア州
第27回:イタリア⑧ ラツィオ州、カンパーニア州
第27回:イタリア⑧ ラツィオ州、カンパーニア州

最後に
今回は、州都がローマのラツィオ州、州都がナポリのカンパーニア州をご紹介しました。北部から中部、南部に移動するに従ってブドウ品種が変化してきた事がわかります。イタリアは統一国家としては新しく以前は各地域で独立していたことから、各地域に根付いたブドウ品種やワインが生産されており、独自の文化を築いています。私もワインエキスパート試験を受験することでイタリアワインの面白さを知りました。イタリアワインは日本でも比較的安価で購入できますので、気になったDOCG,DOCがありましたら是非とも探してみてはいかがでしょう。
(参考)ソムリエフォーフリー
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