※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策
本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。
今回は南部3州(プーリア州、バジリカータ州、カラブリア州)です。ソムリエ・ワインエキスパート試験的には出題される可能性がそこまで高くないですが、混同しやすいところでもありますので覚えるべきポイントを絞って覚えていきましょう。最後には小テストもありますので、問題にトライしながら地道に覚えていくのがポイントです。
3つの州の地理関係
一般的には、前回ご紹介したカンパーニア州と今回の3州(プーリア州、バジリカータ州、カラブリア州)を足した4州を「イタリア南部」と定義されています。今回ご紹介する3州は非常に混同しやすいですので注意しましょう。
ソムリエ・ワインエキスパート試験的には覚えるべきポイントは限られています。以下、各州の特徴についてまとめていきたいと思います。
プーリア州
プーリア州のポイント
イタリアで最も東にある州で、広い平野があるため、ブドウ、オリーブ、穀物などの大農産地です。ワイン生産量も多く、常にイタリアのトップの座をヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州、シチリア州と争っています。
一昔前までは、ヨーロッパ最大のバルクワイン産地でしたが、近年では量から質への転換が進められています。
興味深い固有品種の宝庫で、プリミティーヴォ、ネーロ・ディ・トロイア、ネグロ・アマーロをはじめとして多くの固有品種の産地です。
プーリア州の主なブドウ品種
・プリミティーヴォ(黒ブドウ)
要注意ブドウ品種です。このプリミティーヴォという品種はアメリカでは「ジンファンデル」と呼ばれます。
・ネグロ・アマーロ(黒ブドウ)
プーリア州、特にサレント半島で栽培される品種です。
プーリア州の主要なDOCGワイン
プーリア州では4つのDOCGが認められています。
・カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロ(ロゼ)
要注意DOCGワインです。イタリアでも珍しいロゼのDOCGワインです。ボンビーノ・ネーロというブドウ品種主体です。
・カステル・デル・モンテ・ネーロ・ディ・トロイア・リゼルヴァ(赤)
ネーロ・ディ・トロイアというブドウ品種を90%以上含む必要があります。「ネーロ・ディ・トロイア」とは「トロイのブドウ」とも呼ばれ、その起源は小アジアのトロイといわれます。
・カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァ(赤)
ネーロ・ディ・トロイア65%以上のDOCGワインです。
・プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア・ドルチェ・ナトゥラーレ(赤甘口)
ドルチェとあるので甘口です。ブドウ品種はプリミティーヴォですね。
プーリア州の主要なDOCワイン
・カステル・デル・モンテ
「カステル・デル・モンテ」だけだとDOCワインです。
バジリカータ州
バジリカータ州のポイント
ギリシャの植民地であった時代から、この地のワインは有名で、ギリシャ人によってブドウが持ち込まれていたそうです。山岳地帯が多く、ワインの生産量は多くはありません。
バジリカータ州の主なブドウ品種
・アリアニコ(黒ブドウ)
イタリア南部、特にカンパーニア州とバジリカータ州で栽培されている黒ブドウ。ギリシャ人が持ち込んだブドウであることから、品種名は「ギリシャの」を意味します。
バジリカータ州の主要なDOCGワイン
・アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレ(赤)
アリアニコによって造られるDOCGワイン。バジリカータ州といえばこのワインです。
バジリカータ州の主要なDOCワイン
・アリアニコ・デル・ヴルトゥレ
スペリオーレが付かないとDOCになります。
カラブリア州
カラブリア州のポイント
古代よりカラブリア州はワインの名声が高く、ギリシャ人がイタリアを「エノートリア(ワインの大地)」と呼ぶようになったのは、カラブリアのブドウ畑を讃えてのことであったと伝えられているそうです。
カラブリア州の主なブドウ品種
・ガリオッポ(黒ブドウ)
カラブリア州で広く栽培されているブドウ品種。
・グレーコ(白ブドウ)
カラブリア州で広く栽培されている「グレーコ・ビアンコ」と、カンパーニア州イルピニア県で広く栽培されている「グレーコ・ディ・トゥーフォ」に分かれます。
カラブリア州の主要なDOCワイン(DOCGはなし)
・チーロ(赤・ロゼ・白)
カラブリアで最も有名な呼称ワイン。カラブリアといえば、チーロを覚えておきましょう。赤・ロゼは、ガリオッポ、白はグレーコ・ビアンコがベースです。古代オリンピックの勝者にはカラブリアのクリミサのワインが与えられていましたが、これは今日の「DOCチーロ」の祖先であるとされています。
第28回小テスト:イタリア⑨ 南部3州(プーリア州、バジリカータ州、カラブリア州)
第28回:イタリア⑨ 南部3州(プーリア州、バジリカータ州、カラブリア州)
第28回:イタリア⑨ 南部3州(プーリア州、バジリカータ州、カラブリア州)

最後に
混同しやすいカンパーニア州以外の南部3州ですが、一つずつクリアしていきましょう。繰り返し問題を解くことで、身についていきますので小テストを見ながら地道に覚えていくことが大切です。
(参考)ソムリエフォーフリー
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