【ソムリエ・ワインエキスパート試験/対策問題】第29回:イタリア⑩ シチリア州、サルディーニャ州

※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験対策

 

本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。

 

今回はイタリア第九回:シチリア州、サルデーニャ州です。前回ご紹介した南部3州と同様混同しやすい部分ですが、違いを確認していきましょう。完全に覚える必要はなく、このワインはシチリア州だったかな?サルデーニャ州だったかな?というぐらいでソムリエ・ワインエキスパート試験的には問題ないかなとは思います。

 

シチリア州、サルデーニャ州の地理関係

 

 

シチリア州はイタリア最南端に位置し、イタリア最大の州でもあります。もちろん、地中海最大の島でもあり、アフリカ大陸にも近いことから、様々な文化を受け入れながら独自のシチリア文化を形成してきました。

 

また、シチリア州はヴェネト州、プーリア州と並ぶワイン大生産地です。エトナ火山の火山性土壌から生まれるエトナなど興味深いテロワールに注目が集まっています。

 

一方、サルデーニャは、シチリアに次いで二番目に大きい島であり、ソムリエ教本ではシチリアよりも閉鎖的で独自の文化が形成されてきたと記述されています。1970年代末から始まった「イタリアワインルネッサンス」と呼ばれる近代化運動にも無関心で「乗り遅れた州」と言われることもありましたが、そのおかげか、国際品種はあまり導入されておらず独自のワインが多く残っています。ワイン生産量はシチリア州の約7分の1程しかありません。

 

また、サルデーニャ州はワインの栓に使われるコルクの産地としても知られています。地中海の島であることから海産物が多く、白ワインが多そうなイメージがありますが、実は、サルデーニャの人々は、羊肉が好きで赤ワインの方が多く生産されています。

 

シチリア州

シチリア州のポイント

シチリア州のポイントは、DOCGワインが一種類(チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア)である事、マルサーラ(マルサラ)という酒精強化ワインが造られている事をまず覚えましょう。まずはそれだけで良いかもしれません。

 

シチリア州の主なブドウ品種

ネーロ・ダヴォラ(カラブレーゼ)(黒ブドウ)

シチリアを代表する黒ブドウ品種。シチリア州唯一のDOCGワイン・チェラスオーロ・ディ・ヴィットリアはこのブドウ品種主体で造られます。

 

カタラット(白ブドウ)

シチリアで最も栽培されている白ブドウ。「カタラット(なんちゃら)」という下品種があります。試験的には、「カタラットと名前が付くブドウはイタリアの南部で主に栽培されているんだな」ぐらいで大丈夫かと個人的には思います。

 

シチリア州の主要なDOCGワイン

チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア(赤)

シチリア州唯一のDOCGワイン。色調は濃いめのロゼ色から赤色。一般的に他地域では「チェラスオーロ」と言えばロゼワインを指すんですが、分類上は赤ワインです。ブドウ品種はネロ・ダヴォラ(カラブレーゼ)主体です。

 

シチリア州の主要なDOCワイン

・エトナ

富士山(3776m)に匹敵する程の標高であるエトナ火山(3343m)がある地域で、標高300~1200mの火山性土壌の畑から生まれるDOCワイン。赤ワインはネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カップッチョという黒ブドウ品種主体、白ワインはカッリカンテという白ブドウ品種主体です(私はブドウ品種は覚えませんでした)。

 

マルサーラ(酒精強化ワイン)

要注意DOCワインです。イギリス人のジョン・ウッドハウスが、1773年にアルコール補強をして生み出したワインです。ソムリエ・ワインエキスパート試験では、こういう特殊系ワインの産地と名前を問われる場合があります。ジョン・ウッドハウスという名前と関連付けて覚えておきましょう。色・甘さ・熟成期間によって様々な名前に分類されていますが、余裕がある方はソムリエ教本をチェックしておいてください。

 

サルデーニャ州

サルデーニャ州のポイント

サルデーニャ州のポイントは、DOCGワインが一種類(ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ)である事、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ、マルヴァジア・ディ・ボーサというシェリーに似た特殊なワインが造られている事をまず覚えましょう。まずはそれだけで良いかもしれません。※「シェリーって何?」という方はスペインの回でご紹介しますので、とりあえず、少し特殊な製法のワインが造られているとぼんやり覚えておきましょう。

 

サルデーニャ州の主なブドウ品種

ヴェルメンティーノ(白ブドウ)

リグーリア州、トスカーナ州、サルデーニャ州、フランスのコルシカ島といった「ティレニア海沿いで栽培されている」白ブドウ品種。

 

サルディーニャ州の主要なDOCGワイン

ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ(白)

ヴェルメンティーノというブドウ品種を主体とした辛口白ワインのDOCG。サルデーニャ州唯一のDOCGワインです。

 

サルデーニャ州の主要なDOCワイン

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ(酸化熟成ワイン)

・マルヴァジア・ディ・ボーサ(酸化熟成ワイン)

スペインのシェリーに似た、「フロール」という産膜酵母を発生させることで緩やかに酸化熟成させたワイン。「フロール」の説明はスペインの回で詳しくご説明する予定です。まずは、サルデーニャ州で2種類の酸化熟成ワインが生産されているという事を覚えておきましょう。シチリア州と間違えないようにしてくださいね。

 

第29回小テスト:イタリア⑩ シチリア州、サルデーニャ州

 

第29回:イタリア⑩ シチリア州、サルデーニャ州

第29回:イタリア⑩ シチリア州、サルデーニャ州

 

最後に

 

これでイタリア各州の説明は以上です。お疲れ様でした。次回はイタリアまとめ回ですので、振り返りを行い、各州の特徴をおさらいしましょう。

 

 

(参考)ソムリエフォーフリー

 

 

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