【ソムリエ・ワインエキスパート試験/対策問題】第48回:チリ

※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験対策

 

本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。

 

今回はチリです。チリは日本との経済連携協定に基づく関税率の軽減により、多くのチリワインが日本に輸入されています。また、ブドウ栽培にもうってつけの自然環境に恵まれていることからワイン後発国ながらも国際市場でも高い存在感を示してきていますね。

 

チリのポイント

 

・産地名(D.O)とサブリージョンのD.Oは場所とセットで覚える

・ワイン産地(コスタ、エントレ・コルディリェラス、アンデス)の区分を覚える

 

おおよそ、どの産地がどの地方にあるかをまず覚える事から始めましょう。また、2011年に従来の原産地呼称(D.O)に付記する形で二次的な産地表示ができるようになりました。これが、3つのワイン産地区分です。後でご紹介するのでどの説明がどの区分なのか答えられるようにしておきましょう。

 

チリワインの歴史

 

16世紀半ばにスペインのカトリック伝道者がパイス種を植えたことから始まります。アルゼンチンのクリオージャ・チカ、アメリカのミッション種と起源が同じだと言われていますので合わせてチェックしましょう。その後、スペインから独立したチリは、鉱山富豪がワイン産業がスポンサーとなることで発展していきます。

 

1830年、フランスから招聘されたクロード・ゲイが、ヨーロッパからヴィティス・ヴィニフェラ系のブドウの苗木を持ち込み、パイスに代わるワイン用ブドウ栽培の検討を始めました。その後、シルベストレ・オチャガビアが続き、ボルドー品種の苗木をマイポ・ヴァレーのタラガンテに植え付けました。

 

1990年代はヴァラエタルワインの生産が盛んでしたが、新しいステージとして「テロワール」をコンセプトとしたワイン造りが行われるようになっています。積極的に量から良への転換が行われ、良質のワインが生産されて海外に輸出されています。

 

チリの気候風土

 

チリのワイン産地は、南緯27度から39度に位置します。また、南氷洋から北に向かって流れる冷たい海流「フンボルト海流」はチリのワイン産地に影響を与えています。

 

なお、チリでは未だフィロキセラの被害はありません。ただ、いつ何時フィロキセラが確認されてもいいように北米台木(ヴィティス・リパリア、ヴィティス・ルペストリス、ヴィティス・べランディエリのうち2種を交雑したもの)に接木をして新植する畑も増えているそうです。

 

伝統的な灌漑方法

耕作地には古くからアンデスの雪解け水を引き込むための灌漑用水路があります。

 

灌漑方法としては、雪解け水を貯めてから流す方法の「ナチュラル・イリゲーション」と、水の供給量が不足している地域や水がほとんど来ないカサブランカ・ヴァレーなどでは井戸を掘って水を確保する「ドリップ・イリゲーション(点滴灌漑)」があります。

 

チリのブドウ品種

白ブドウ

白ブドウ栽培面積トップは「ソーヴィニヨン・ブラン」です。他にはシャルドネも多く植えられています。

 

黒ブドウ

黒ブドウ栽培面積トップは「カベルネ・ソーヴィニョン」で、白ブドウと合わせてもトップです。

 

また、カルメネールという黒ブドウを覚えておきましょう。元々ボルドーから持ち込まれた品種ですが、ボルドーでは栽培が途絶えてしまっています。長年チリではメルロだと思われていたそうですが、ブドウ学者クロード・ヴァラが疑問を呈し、フランス人ブドウ学者ジャン・ミッシェル・ブルシクオがカルメネールと結論づけました。

 

チリのワイン法

 

ワインの原産地呼称(D.O.)は1994年に規定、1995年に公告されました。フランスのAOCのように栽培品種や熟成期間などの醸造方法に規制はありません。

 

当該産地の75%以上使用すればD.O.を表示できるのが特徴です。他の国ではいわゆる「85%ルール」が主流ですがチリは違うので注意です。また、ブドウ品種や収穫年を表示する際も75%以上使用していれば表示可能です。しかしながら、EUでは85%以上使用としているので輸出向けチリワインは全て85%以上使用としているようです。

 

また、D.O.ワインには次の品質表示を加えることができます。

・スペリオール(香味に独自性が認められている)

・レセルバ(アルコール度数が法定最低アルコール度数より0.5%以上高く、独自の香味がある)

・レセルバ・エスペシアル(アルコール度数が法定最低アルコール度数より0.5%以上高く、独自の香味があり樽熟成したワイン)

・レセルバ・プリバダ(アルコール度数が法定最低アルコール度数より1%以上高く、独自の香味がある)

・グラン・レセルバ(アルコール度数が法定最低アルコール度数より1%以上高く、独自の香味があり樽熟成したワイン)

 

ブドウ栽培の新しい区分

 

チリでは、新しいブドウ畑の開拓とテロワールという考え方の導入によって、単純に北から南に向かって水平に切るのではなく、気候の特徴によって東西に垂直に区分する原産地呼称が導入されました。2011年より従来の原産地呼称表記に付記する形で二次的な産地表示が可能となっています。3つの特徴をチェックし、説明を見て答えられるようにしておきましょう。

 

①コスタ(海岸に面した畑)

南極海からフンボルト海流が流れているため、コスタの栽培品種はソーヴィニヨンブランをはじめ、シャルドネやピノ・ノワールといった冷涼地に適した品種が主体となっています。

 

②エントレ・コルディリェラス(海岸山脈とアンデス山脈の間、つまり中央部の平地)

2つの山脈の間という意味です。エントレ・コルディリェラスのブドウはチリワインの60%を占めています。アコンカグア川に沿ったアコンカグア・ヴァレーのエントレ・コルディリェラスはチリで最も古いブドウ栽培地の一つです。

 

③アンデス(アンデス山脈川の斜面、ヒルサイド)

日中は強い日差しを受ける斜面も日が落ちると急激に冷えるため、昼夜の気温差が大きくなります。また、その標高や斜面の向いている方向によって産み出すブドウに大きな違いが生まれます。

 

チリの全体像

 

D.O.セントラル・ヴァレー

チリでまずチェックしたいのは「D.O.セントラル・ヴァレー」です。チリのブドウ栽培が始まった場所で、雨量は年間300mmと極端に少ないので灌漑が必要な地域です。サブリージョンの中には、首都サンティアゴを含み、カベルネ・ソーヴィニョンが栽培面積の50%以上を占めるD.O.マイポ・ヴァレーチリ最大の産地であるD.O.マウレ・ヴァレーは必ず覚えておいてください。

 

D.O.アコンカグア

次にチェックしたいのはD.O.アコンカグアのサブリージョンです。「カサブランカ・ヴァレー」は1990年代にチリで初めて開拓された冷涼な畑です。その他、「アコンカグア・ヴァレー」や「サン・アントニオ・ヴァレー」といったサブリージョンがD.O.アコンカグアに含まれることを覚えておきましょう。

 

D.O.アタカマ

また、D.O.アタカマでは、ピスコという蒸留酒のためのモスカテル種が主に栽培されています。

 

D.O.スール

D.O.スールでは比較的降水量が多く灌漑地域は10%程です。

 

D.O.コキンボ

近年、冷涼な畑を求める栽培者が多く進出しています。

 

D.O.アウストラル

2011年に新しく認定された原産地呼称で、スールよりさらに南に位置しているため、「南極」を意味する「アウストラル」と命名されました。2018年にチロエ島にアルバリーニョなどが植えられ、これがチリ最南端のブドウ畑になっています。

 

D.O.セカノ・インテリオル

クリコ、マウレ、ビオビオ、イタタの非灌漑地域で栽培したサンソーとパイスに適用される呼称です。各地域のブドウはブレンドしても良く、パイスとサンソーもブレンドしてかまいません。

 

 

第48回小テスト:チリ

 

第48回:チリ

第48回:チリ

 

最後に

 

チリは「3Wの国(Weather,Women,Wine」と呼ばれており、今後も多くの良質なチリワインが日本でも購入できるようになるかと思います。ソムリエ・ワインエキスパート試験的には、原産地呼称のところと産地毎の特徴については出題される可能性が高いですのでチェックしておきましょう。

 

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(参考)ソムリエフォーフリー

 

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