※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験対策
本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。
今回はウルグアイです。ウルグアイの正式名称は「ウルグアイ東方共和国」で、先住民族のグアラニー語「Uru(ウルとういう鳥)、Gua(の)、Y(川)]に由来しているそうです。ウルグアイの著名人といえば、「世界一貧しい大統領」として有名になった「ホセ・ムヒカ元大統領」でしょうか。
ウルグアイのポイント
・ワイン産地(第1~第3の産地)ぐらいの名前を覚える
・栽培されているブドウ品種を覚える
近年、ソムリエ教本に追加された国でもあり、ページ数もそこまで多くないので覚えるべきポイントはある程度限られます。まずは、第1から第3までの産地と栽培されているブドウ品種は必ずおさえておきましょう。
特徴
ウルグアイは南米では2番目に小さい国にもかかわらず、ワイン生産量ではアルゼンチン、チリ、ブラジルに次いで南米4位です。生産されるワインの8割弱(78%)が赤ワインです。牛肉大好きの国民性で、一人当たりの牛肉年間消費量が世界第1位です。特に、大きなブロックのまま焼き上げる「アサード」が代表的です。また、国内生産ワインの90%が自国で消費されます。
牛肉大好き=赤ワインを飲む、と関連付けて覚えましょう。
気候風土
ウルグアイのワイン産地は南緯30度から35度の間に位置します。ブドウ樹は垣根仕立てが最も多いですが、降雨量が多く湿度が高いウルグアイでは伝統的な「リラ仕立て」がしばしばみられます(1/4程)。
ウルグアイワインの歴史
16世紀からアメリカ大陸ではワイン造りが始まりますが、ウルグアイでは少し遅れて17世紀末、ブドウ品種は「モスカテル」だったと言われております。
1873年にスペイン系移民・「フランシスコ・ヴィディエラ」が苗木をヨーロッパから持ち帰りますが、その中で「フォル・ノワール(当時はヴィーニャ・デ・ペニャロール)」が成功を収めます。ウルグアイではフォル・ノワールを彼にちなんで「ヴィディエラ」とも呼んでいます。
1874年にはフランス・バスク地方の移民「パスカル・アリアゲ」が「タナ(当時はロルダ)」を持ち込みます。ウルグアイではタナを彼にちなんで「アリアゲ」とも呼んでいます。
1965年にはウルグアイ技術研究所(LATU)が設立、輸出前ワインについて化学分析と官能検査が行われるようになり、品質保証が強化されました。また、1987年には国際的な競争力を養うために国立ブドウ栽培ワイン醸造協会(INAVI)が設立されました。
ウルグアイの特徴的なブドウ品種
ウルグアイで栽培されているブドウの内、80%が黒ブドウ、20%が白ブドウです。※赤ワインの方が圧倒的に多いので当然ですね
黒ブドウ
要注意ポイントです。黒ブドウ1位は「タナ」と呼ばれる元々フランス・南西地方原産の品種ですが、フランス・バスク地方からの移民・「パスカル・アリアゲ」がアルゼンチンより初めて持ち込みました(当時はロルダと呼ばれていた)。ウルグアイでは、彼にちなんでタナの事を「アリアゲ」とも呼んでいます。タナの栽培面積は全体の26%(2018年)にも及び、ウルグアイを代表するブドウ品種となっています。
フランス南西地方で、「タナ」が主要品種のAOCワインは何だったでしょうか?一度振り返ってみる事も大切ですね。
白ブドウ
栽培面積トップは「ユニ・ブラン」です。高品質ワインとしてはソーヴィニョン・ブランやシャルドネが代表的だそうです。
ウルグアイのワイン法
ウルグアイにはチリやアルゼンチンにみられるD.O.のような制度が存在しません。以下の2つのカテゴリがあります。
1.ヴィノ・デ・カリダッド・プレフェレンテ(VCP)
以下の条件を満たす優良品質ワインです。
・ヴィティス・ヴィニフェラ種のブドウ
・最低アルコール度数10.5%以上
・750ml以下のガラス瓶
・収穫年を表示する場合は該当収穫年を85%
・品種名を表示する場合は該当品種を85%
2.ヴィノ・コムン(VC)
テーブルワイン。紙パックやデミジョンボトルで売られていることが多い。
ウルグアイの全体像
ウルグアイの産地は生産量という点でみれば南部に集中しています。必ず栽培面積1位のカネロネス、2位のモンテビデオ、3位のコロニアはチェックしておいてください。
第50回小テスト:ウルグアイ
第50回:ウルグアイ
第50回:ウルグアイ

最後に
南米4位のワイン生産量のウルグアイ、タナという黒ブドウ品種を軸に特徴的なワインが造られています。国内消費がほとんどで日本にはチリワインなどと比べ中々入ってこないですが、もし見かけたら一度手に取ってみてはいかがでしょうか。南米3か国(アルゼンチン、チリ、ウルグアイ)が終了しました。次回は再度ヨーロッパ(ドイツ&オーストリア)へ向かいましょう。
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