【ソムリエ・ワインエキスパート試験/対策問題】第57回:ハンガリー

※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験対策

 

本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。

 

今回はハンガリーです。首都・ブダペストは美しい風景から「ドナウの真珠」とも称されています。国の中央をドナウ川が縦断しているので合わせて覚えましょう。また、ハンガリーといえば「トカイワイン」というイメージがありますね。特にトカイはページ数も割かれており、注意が必要です。

 

ハンガリーのポイント

 

・いつも通りブドウ栽培面積トップ品種とワイン法(OEM,OFJなど)は答えられるように

・トカイワインの規定や用語はしっかり覚えておく

 

他のヨーロッパ諸国と同じく各産地(OEM)で重要キーワードがある産地は答えられるようにしておいた方がいいでしょう。特に「トカイ」に関しては覚えるべき用語も多いですので注意が必要です。

 

気候風土

ハンガリーのワイン産地の緯度は北緯45.5度から48.5度に渡り、標高は100から300mとそこまで高くありません(唯一の例外としてトカイ地方に513mの山がある)。また、ハンガリーは主に夏と冬の気温の差が激しい大陸性気候です。

 

ハンガリーワインの歴史

 

紀元前からブドウ栽培が行われていましたが、本格的なブドウ栽培は古代ローマ人が伝えたとされています。ローマの貴族社会から圧力を受け、パンノニアでのワイン生産禁止とブドウ伐採が命じられますが、282年プロブス皇帝の命で再びパンノニアにブドウが植えられます。

 

1867年ハプスブルク帝国の解体に伴い、ワイン輸出が進められ、一時はフランス、イタリアに次ぐ世界3位のワイン生産国になりますが、フィロキセラ被害により大幅に生産量が減少します。

 

その後、ソビエトの支配によりワイン産業は衰退、6割近くがソビエト連邦向けの輸出となり、「質より量」が求められます。この支配が終わり、更に1989年には共和国へ体制転換されることで、外国資本が多く入り、基壇的なワイン造りが導入されました。

 

ハンガリーの特徴的なブドウ品種

ハンガリーの栽培面積の3分の2は白ワイン用のブドウが占めます。また、国内全体の6割近くを地元品種が占めています。

 

黒ブドウ

黒ブドウ品種の栽培面積トップは「ケークフランコシュ」という品種です。民営化が進む中、カベルネ・ソーヴィニョン(2位)やメルロ(3位)といった国際品種が増えてはいます。

 

白ブドウ

白ブドウの栽培面積トップは「ビアンカ」という品種です。この品種は覚えておきましょう。ビアンカは耐久性が高い、栽培技術が単純、ブドウの病害に強いことから、この10年で人気が高まっています。

 

また、産地特有の品種として、フルミント(白ブドウ2位:トカイ地方の重要品種)やチェルセギ・フューセレッシュ(白ブドウ3位:パンノニア平原の重要品種)があります。

 

 

ハンガリーのワイン法

 

ハンガリーでは、1956年にフランスのAOC同様のワイン法が制定されました。ハンガリーもEU加盟国ですので、2009年のEU規則に乗っ取り、2011年から以下の3つのカテゴリー分けがなされています。(他のヨーロッパの国々とは略語が異なるの注意しましょう)

 

1. OEM(原産地呼称保護ワイン)

ヨーロッパのPDO、DOP、フランスのAOPと同様。

 

2. OFJ(地理的表示保護ワイン)

ヨーロッパのIGPと同様。

 

3. FN(地理的表示なしワイン)

1のOEM、2のOFJ以外のワイン。

 

OEMやOFJというのはソムリエ・ワインエキスパート試験でも狙われそうなポイントですので、覚えておきましょう。

 

ハンガリーの全体像

 

上述した地図に、チェックしてほしい産地(地方)をまとめました。ハンガリーの場合、細かい特徴というよりはどの産地がどの地方に位置しているかをおさえておく事が重要です。特に、バダチョニはバラトン地方、エゲルは北ハンガリー地方ですのでチェックしておきましょう。

 

なお、ハンガリーではトカイ地方の「トカイ」が最も出題されやすいポイントかと思います。覚えるべき用語などが多いですので、次の項で詳しくご紹介します。

 

OEM トカイ(トカイ地方)

概要

ハンガリーワインを代表するワインで、フランス王ルイ14世が「王のワインであり、ワインの王である」と称賛したとされています。地形と気候の影響により、日夜の寒暖差による霧が貴腐菌(ボトリティス菌)を発生させることで貴腐ブドウとなり、そのブドウから甘口ワインが造られます。ブドウ品種はフルミントが重要品種です。

 

なお、トカイは世界三大貴腐ワイン(フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ)の一つでもあります。

 

1737年に「トカイ・ヘジャリア」として原産地呼称が導入され、2004年に「トカイ」に名称変更されました。ちなみに、いずれのトカイワインも補糖は禁止です。

 

ちなみに、トカイがあまりに有名であるがゆえに、ハンガリー以外でもトカイという名称が使われていました。ハンガリー以外では「スロヴァキア」でのみ認められています

 

トカイワインの等級

ソムリエ教本では、トカイワインの品質区分について数値基準(総アルコール度、残糖度、樽熟成期間など)が掲載されています。理想を言えば全て覚えられればいいですが、中々大変ですので、まずは下記、7つの区分について覚えることから始めましょう。※私の場合は、下記の特徴をおさえておいて、更にマニアックな問題が出たら諦めるという選択肢を取りました。(結果トカイの問題は出ませんでした・・・)

 

なお、ここでいうアルコール度数はラベルに記載される基準の度数を指します。

エッセンシア(残糖度がメチャ高い!)

残糖度が450 g/L という驚異的な残糖度のワインです。この数値は出やすいのでチェックしておきましょう。貴腐ブドウのフリーランジュース(圧力をかけずに自然の重さで流れ出た果汁)からのみ造られます。アルコール度数はトカイの多くが9%以上という規定がありますが、エッセンシアに関しては、アルコール度数が1.2-8.0%と低いです。

トカイ・アスー(残糖度が2番目に高い)

残糖度120 g/L 以上。以前は「プットニョシュ」という単位で、残糖度を細かく規定していましたが、今は120 g/L 以上がアスーとなっています。ちなみに、残糖度が150 g/L 以上の場合は「6プットニョシュ」として表示する事もできるそうです。アルコール度数は9%以上で、樽熟成が最低18ヶ月(1年半)、瓶熟成と合わせて3年の熟成が必要です。

サーラズ・サモロドニ(「辛口・自然のままに」という意味)

エッセンシアやアスーは、一粒ずつ摘み取る必要がありましたが、サモロドニは房ごと収穫して造られます。サーラズの場合は辛口なので残糖度が9 g/L 以上で、その代わりアルコール度数は12%以上になります(注意)。樽熟成期間は最低6ヵ月必要です。

エーデシュ・サモロドニ(「甘口・自然のままに」という意味)

房ごと収穫して造られます。エーデシュの場合は甘口なので残糖度が45 g/L 以上で、その代わりアルコール度数は9%以上になります。樽熟成期間は最低6ヵ月必要です。

フォルディターシュ(「上下をひっくり返す」という意味)

アスー用の二番搾りの果汁にマスト(果醪、もろみ)を加えて再発酵、熟成させたワインです。アルコール度数は9%、樽熟成期間は最低6ヵ月必要です。

マースラーシュ(「コピーする」という意味)

アスー、またはフォルディターシュ用のワインの搾り澱に、マストないしワインを注いで再発酵、熟成させたものです。アルコール度数は9%、樽熟成期間は最低6ヵ月必要です。

ペジュグー(トカイのスパークリングワイン)

トカイで造られるスパークリングワインです。アルコール度数は10%以上です(注意)

 

 

第57回小テスト:ハンガリー

 

第57回:ハンガリー

第57回:ハンガリー

 

最後に

 

スイス、ギリシャ、ハンガリーと進んできましたが、確実に覚える量は減ってきていることがわかります。ただCBT(テストセンター)方式に移行してから、これまでの主要国(フランス・イタリアなど)の出題量が減り、様々な国から出題されるようになっています。ポイントを絞って少しずつ問題を解きながら覚えていきましょう。

 

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