【ソムリエ・ワインエキスパート試験/対策問題】第66回:日本① 概論

※本ブログの問題は一般社団法人日本ソムリエ協会が発行している「日本ソムリエ協会教本(2020)」をもとにしています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験対策

 

本記事では、ソムリエ・ワインエキスパート試験にて出題されそうな問題について小テスト形式でご紹介します。何度も問題を繰り返すことで、身についていくと思いますので、コツコツと一つずつクリアしていきましょう。また、選択肢に表示されている単語で、知らない単語などがあればそちらもチェックしておきましょう。

 

今回から日本です。ようやく日本まで辿り着きましたね。近年のソムリエ・ワインエキスパート試験では日本は出題頻度の高い国の一つとなりました。日本ソムリエ協会の日本ワイン普及への強い想いを感じます。年々素晴らしい日本ワインが誕生しており、国際的にも評価が高まっています。

 

ちなみに、「日本ワイン」と「国産ワイン、国内製造ワイン」について説明できるでしょうか。初耳だという方は以前まとめて下記の記事をご参照ください。

 

World Wine Entertainment

※本ブログの情報は一般社団法人日本ソムリ […]…

 

日本のポイント

 

・日本ワインと国内製造ワインについて理解する

・交配種と交雑種(何と何の掛け合わせ?)をチェック

・各産地の特徴・ブドウ品種をしっかり覚える(次回以降)

 

日本のワインについては、近年結構細かいところまで出題されるようになってきました。ソムリエ教本でもかなり細部まで説明されていますので、日本については気合いを入れてチェックする事が大事です。

 

日本ワインの特徴

 

日本ワインの特徴は多様性です。ブドウ栽培地としては北から南まで約18度も緯度に違いがあります。本ブログでもブドウ栽培と緯度との関係は言い続けていますが、緯度が異なるとそれだけ気候も大きく異なってきます。

 

また、ヨーロッパの伝統的な産地ではヴィティス・ヴィニフェラ系のブドウのみからワインが造られますが、ヴィティス・ヴィニフェラ系以外にも、ヴィティス・ラブルスカ種、自生している山ブドウ、これらの交配種、交雑種からもワインが造られます。

 

なお、国内製造ワインのうち、日本ワインの比率は20.2%(約2割)です。という事は約8割が海外原料に依存しているという事です。このような状況はここ半世紀ぐらい続いており、改善が望まれています。

 

日本のワイン造りの歴史

 

1874年、「山田宥教(ひろのり)」と「詫間憲久(のりひさ)」甲府で初めて本格的ワイン造りを始めた(といわれていました)。1877年には、今の勝沼にあたる「祝村(いわいむら)」で初めての民間ワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社(祝村葡萄酒醸造会社)」が立ち上げられます。

 

ただし、2018年熊本大学永青文庫センターの新たな見解によると、小倉藩奉行所の日次記録には1627年から1630年まで小倉藩細川家管轄下で葡萄酒造りが実施されていた事が記されているそうです。これが真実だとすると1627年に福岡県において初の本格ワインが造られていた事になります。

 

1893年には新潟県で「岩の原葡萄園」が川上善兵衛によって創立。この川上善兵衛は1922年に22品種を優良品種として発表、1927年にはマスカット・ベーリーAやブラック・クイーンなどの独自品種を新潟で開発しました。

 

1973年には3年前の大阪万博の影響で、ワイン消費量は一気に増加したことから、その年は「ワイン元年」と呼ばれました。1980年代頃には中近東原産のヴィティス・ヴィニフェラ種の本格的栽培が始まります。

 

2000年を過ぎると一個人が自分でブドウを育ててワイン造りを行う生産者も増加します。ブドウ栽培を重視する動きは大手ワイナリーでも進んでいます。ここ10数年でテロワールを表現した日本ワインが増加し、品質も向上しています。

 

日本の特徴的なブドウ品種

受入数量

国税庁調査(2017年)によると、ワイン原料用国産ブドウの受入数量トップは白ブドウが「甲州」で、黒ブドウ・白ブドウをあわせてもトップです。一方、黒ブドウは「マスカット・ベーリーA」です。全体ではこの2品種ですが、産地毎には変わるので注意が必要です。(次回以降にご紹介します)

 

なお、前述したように日本はヴィティス・ヴィニフェラ種の他に交配種、交雑種など様々な種類のブドウが栽培されています。

東洋系品種

日本固有の土着品種や中国原産の品種。甲州、善光寺(白ブドウ)などが含まれます。

欧・中東系品種(ヴィティス・ヴィニフェラ)

ヴィティス・ヴィニフェラとは「ワインを造るブドウ」を意味します。※品種に関してはここで書く必要なないですね・・・

アメリカ系品種(ヴィティス・ラブルスカ)

生食用に使われることが多いですが、これらの品種からもワインが造られます。独特の香りが「フォクシーフレーバー」「キャンディ香」とも言われます。デラウェア、キャンベル・アーリー、ナイアガラなどが含まれます。

日本野生ブドウ(ヴィティス・コワニティ/ヴィティス・アムレンシスなど)

日本で自生している野生ブドウで、山ブドウともいわれます。ちなみに「ヤマブドウ」はヴィティス・コワニティです。

日本特有の交雑/交配種

日本の気候に適した品種を求めて開発された品種で、川上善兵衛が開発した「マスカット・ベーリーA」や「ブラック・クイーン」などが含まれます。主要品種の組み合わせはチェックしておきましょう。

 

マスカット・ベーリーAベーリー×マスカット・ハンブルグ)※川上善兵衛

ブラック・クイーンベーリー×ゴールデン・クイーン)※川上善兵衛

甲斐ノワール(ブラック・クイーン×カベルネ・ソーヴィニョン)※山梨県果樹試験場

ふらの2号(ヴィティス・アムレンシス×セイベル)※北海道

山幸(ヤマブドウ×清見)※北海道

ヤマ・ソーヴィニョン(ヤマブドウ×カベルネ・ソーヴィニョン)※山梨大学の山川祥秀氏

甲斐ブラン(甲州×ピノ・ブラン)※山梨県果樹試験場

リースリング・リオン(甲州三尺×リースリング)※サントリー

信濃リースリング(シャルドネ×リースリング)※マンズワイン

 

欧・中近東系の交雑品種

フランスで開発されて、日本にもたらされた品種です。

 

甲州

要注意品種です。日本を代表する品種で、やや薄紫色の果皮をしています。DNA解析ではヴィティス・ヴィニフェラとヴィティス・ダヴィーディの遺伝子を引き継ぐことが明らかとなっています。

 

甲州ブドウの誕生には2つの説があります。

1) 「雨宮勘解(あめみやかげゆ)説

⇒1186年に祝村(勝沼)の住人・雨宮勘解が「城の平」で山ブドウの変生種を見つけて改良したという説

2) 「大善寺説

⇒718年に僧の行基のもとにブドウを持った薬師如来が現れた為、その地に大善寺を建てブドウの種をまいたという説

 

主に甲斐地方(今の山梨県)で栽培されていましたが、1620年代に甲斐の徳本医師が棚作りによる栽培方法を考案し、一気に広がったそうです。それでも日本の甲州ワインの95.1%(2017年)が山梨県産の甲州ブドウであるそうです。他には島根県や山形県などでも栽培されています。

 

なお、2003年より、ドイツのラインガウでも試験栽培が開始されています。

 

甲州とマスカット・ベーリーAのO.I.Vへの登録

近年では日本ワインが海外へ輸出されるケースも増え、(独)酒類総合研究所からの申請により、2010年には甲州、2013年にはマスカット・ベーリーAがO.I.V(国際ぶどう・ぶどう酒機構)のリストにブドウ品種として掲載が認められ、EUに輸出する際にも2つの品種は品種名を記載する事ができるようになりました。

 

日本のワインに関する法律

概要

日本でワインに関する法律は主として「酒税法」、「酒類業組合法」が定められています。酒税法では「酒類をアルコール分1度以上の飲料、または溶解してアルコール分1度以上の飲料」と定義されており、以下の4つに分類されています。

 

1.発泡酒類(ビール、発泡酒など)

2.醸造酒類(清酒、果実酒など)※ワインは果実酒

3.蒸留酒類(ウイスキー、ブランデーなど)

4.混成酒類(合成清酒、みりん、甘味果実酒など)※酒精強化ワインは甘味果実酒

 

日本ではヨーロッパ諸国のようなワイン法が存在しないので、例えば「海外の輸入原料を輸入して国内で製造しても国内製造ワインとして販売できる」事になっています。そこで、日本のブドウで造られたワインと区別するため、2015年に国税庁によってワインのラベル表示ルールが定められました(2018年施行)。

 

1.日本ワイン国産ブドウのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒

2.国内製造ワイン(国産ワイン):日本ワインを含む日本国内で製造された果実酒、および甘味果実酒

3.輸入ワイン:海外から輸入された果実酒、および甘味果実酒

 

注意すべきは、日本ワインも国内製造ワインに含まれるという事ですね。

 

国内製造ワイン(国産ワイン)のうち、海外原料を使用したワインは表ラベルに「濃縮果汁使用、輸入ワイン使用」と表示しなければならなくなりました。また、地名や品種などの表示もできません。

 

一方、日本ワインについては地名や品種等の表示が条件を満たせば可能です。地名の場合は85%のブドウが該当収穫地。品種名の場合は85%以上使用すれば表示が可能です。(細かく規定されていますが詳しくはソムリエ教本をご参照ください)

 

地理的表示

現在、地理的表示制度で指定されているのは以下の通りです。消費者にわかりやすいルールとして一箇所以上に「地理的表示」、「Geographical Indication」、「GI」の文字をあわせて表示するようになっています。

 

・焼酎:壱岐、球磨、琉球、薩摩

・清酒:白山、山形、灘五郷

ぶどう酒:山梨、北海道

・日本酒:(国レベルの地理的表示)

 

日本ワインの生産量

 

日本ワインの都道府県別生産量(2017年)は以下の通りです。現在は47都道府県ほとんどでワインが造られるようになっていますが、上位だけで7割以上を占めている事がわかりますね。

 

1位:山梨県(31.3%)

2位:長野県(23.1%)

3位:北海道(16.6%)

4位:山形県(6.8%)

 

この順番は必ず覚えておきましょう。次回以降に各産地について詳しくまとめていきます。

 

第66回小テスト:日本① 概論

 

第66回:日本① 概論

第66回:日本① 概論

 

最後に

 

年々世界でも高い評価を得てきている日本ワイン。今回は「日本ワイン」と「国内製造ワイン」を理解する事と、ブドウ品種について問題を解きながら一つずつ覚えていくようにしましょう。次回以降は各産地に関してまとめていきたいと思います。

 

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(参考)ソムリエフォーフリー

 

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